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【クラス】 バスター 【真名】 ノノ@トップをねらえ2! 【属性】 秩序・善 【パラメータ】 筋力A+ 耐久A 敏捷B+ 魔力E 幸運C 宝具B 【クラス別スキル】 砲撃:B 標的を定め、砲撃する能力。 砲撃に関する攻撃に、少し有利な判定がつく。 単独行動:D マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 Dランクならばマスターを失っても半日程度現界可能。 【固有スキル】 バスターマシン:EX バスターマシンを持つサーヴァントに与えられるスキル。 バスターは最古のバスターマシンであり、そしてバスターマシンそのものである。 宇宙怪獣の侵攻から全てを守るため、宙を駆ける。 バスターは戦士として己を奮い立たせ、人類の味方として地球を護り続ける。 怪力:A 魔物や魔獣等が持つスキル。 バスターはアンドロイド、所謂人外の存在であるため、取得している。 筋力が上昇する。 フィジカルリアクター A バスターに搭載された、物理法則書き換え機能。 これにより周囲の物体を己の思うままに武装や望みの物体に変換することができ、相手の攻撃エネルギーを己の魔力として変換することも可能。 しかしバスター自体が小柄なため、広範囲の攻撃や敵自体を変換するような事は不可能。 【宝具】 『 第六世代型恒星間航行決戦兵器 (バスターマシン7号)』 ランク:B 種別:対宇宙怪獣宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 太陽系を侵攻する宇宙怪獣を阻止し、人類の存続のために戦う対宇宙怪獣戦闘用決戦兵器。 バスターの身体はナノマシンで構成されているアンドロイドであり、その機械の肉体そのものが宝具。 バスターはその最古のバスターマシンである。 見かけは少女だが、長い年月を生きており常人を遥かに越えた能力を持つ。 バスターはスキル・フィジカルリアクターによりはミサイルや障壁などの武装を備えることができる。 『星を護りし少女の極光(バスタービーム)』 ランク:C 種別:対宇宙怪獣宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000 フィジカルリアクターで周囲の物体をエネルギーに変換し、両手から放つ超火力の巨大光線。 本来ならば星すら貫き破壊する光線兵器だが、サーヴァントとして召喚された現在はそれほどの威力はないが、それでも規格外の一撃である。 しかし発動には膨大な量の魔力を必要とする。 照射後、そのまま両腕を開くことにより、敵を両断することも可能。 【Weapon】 脚部三重六連装ミサイルサイロ八基から射出される、ほぼレーザーに近いホーミングミサイルなどなど。 自分より巨大な敵を打ち砕くイナズマキックなどの身体をつかった一撃も強力 【人物背景】 見た目は人間そのものだが、実はナノマシンによって構成されたアンドロイドであり、その正体はバスターマシン7号。 人類と地球を守る平気。 「ノノリリ」なる人物に憧れて「ノノ」と名乗っている。自称火星のマリネリス峡谷育ち。 ピンク色の髪と一際大きなアホ毛が特徴。 多少ドジで能天気だが、その努力と根性で周りを幾度となく救った。 【サーヴァントとしての願い】 ノノは、マスターを助けます。 何故ならば! ノノがサーヴァントだからです!!! 【方針】 マスターが帰りたいらしいので、手伝う。 【クラス特性】 バスター、砲撃手のサーヴァント。 高威力かつ未来的な飛び道具武装を使うクラス。 しかし未来的であるが故の代償か、一撃一撃が重いものの、宝具の神秘と魔力のランクが低いのが特徴。 このクラスにはサイボーグやアンドロイドなど、機械的なサーヴァントが多い。
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No. タイトル 登場人物 場所 作者 -004 多田李衣菜&バスター 多田李衣菜&バスター(ノノ) ◆dM45bKjPN2 011 虚無と歌姫 シェリル・ノーム&ランサー(ウルキオラ・シファー) UPTOWN WEST VILLAGE ◆dM45bKjPN2
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製作者 サスケ DL先↓ http //www1.axfc.net/uploader/so/2851122
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Girl A #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 BASIC ADVANCED EXTREME LEVEL 3 6 8 Notes 198 323 641 BPM 135 Time Artist [Alexandros] ジャンル ポップス Version Qubell 動画 -譜面動画 譜面動画 -プレー動画 プレー動画 攻略・解説 各譜面の攻略に関する情報はこちらへ。 [EXT]②⑧⑨⑮や③⑤⑫⑭の桂馬正方形が頻繁に出現する。隣接同時を捌いている前後だと、手の開き方を誤って空振りや誤爆を誘発しやすい。 -- 名無しさん (2017-03-18 01 17 53) 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BSC] [ADV] [EXT] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 ※体感難易度を書き記す際は、クリア難度・スコア難度のどちらかなのかを明記してください。 また、攻略と関係ない投稿・重複した内容は削除の対象になります 攻略とは無関係の話は該当する欄(情報交換&雑談) にてどうぞ。
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人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list
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私は怒りを感じた。もし人間がその飢えの果てに、互いに食い合うのが必然であるならば、この世は神の怒りの跡にすぎない。 大岡昇平――野火 1: その男が異様なまでの違和感を感じるようになったのは、此処最近の事であった。 喉に小骨が引っかかるようなとか、身に付けている衣服を引っ張られるようなだとか、そんなレベルの小さな違和感ではない。 もっと大きく、それでいて根源的な事を見落とし、忘れているような気がしてならないのである。 何に対して、違和感や不満を感じているのだろうかと自問する。 身分? まさか。自分はゴッサムシティにおいて特に有力な議員を父に持っている。自分が相当恵まれた立場にある事は、自覚している。 親の教育方針か? これも違う。議員の息子として相応しい、かつ、厳しい教育は徹底されてはいるが、反発を覚える程ではない。寧ろ父は尊敬できる人物だ。 それとも、ゴッサムシティそのものに対してか? これはありうる話だ。男が今住んでいる邸宅は、 ゴッサムの中で唯一安全と呼べる地域――金と権力で警察を従わせている――ではあるが、其処以外のゴッサムは犯罪都市と言われて久しい程に、 大小さまざまな刑法犯罪が多発している。もっとマシな所に住みたいと思うのも、当然の事であった。 だが、違う。違和感の理由は、どれもこれも違う気がするのだ。 それは、男が考えている以上に大きくて、根本的な物なのかも知れない。余りにも大きすぎる為に、その正体に気づくのに時間が掛かるのである。 大きい物の全景を見る時、人はある程度その物から距離を離してみる。近づきすぎては、逆に全景が見えなくなるものだ。 今この男はひょっとしたら、そう言う状況に陥っているのかも知れない。 非常に気持ちの悪い感覚だ。 例えるなら、外に出掛けて大分時間が経った後で忘れ物に気づき、しかもその忘れ物が思い出せないような……。そう言った感じである。 「クソがっ、苛々する……」 議員の息子として英才教育を施されて来た男とは到底思えない程のチンピラ言葉で悪態を吐く、オールバックの赤髪の男。 苛々からつい口に出たと言う訳ではなく、男のこの口調は、地である。 コンコンと男が今いる私室をノックする、乾いた木の音が聞こえて来た。 「入れ」、短く彼が口にすると、ガチャっとドアが開き、ノックをした本人が足を踏み入れて来た。 「邪魔するぜ。大丈夫かよ兄さん、何日か前から大分顔が優れないってメイドから聞いたんだけど……」 部屋に入って来た、まだまだ年若い声を放つ男の方角に顔を向けて――赤髪の男は、驚きでカッと目を瞠若させた。 オールバックの男と同じ、燃えるような赤髪を短髪にした、如何にも十代半ばと言う若々しい顔つきの青年。 見間違えようがない。この青年は自分の双子の弟――違う!! それは、偽りの都市ゴッサムシティを生み出した聖杯が勝手に与えた役割に過ぎない筈だ!! ――本当の俺とコイツの関係は……ッ!!―― 記憶を急激に取り戻して行く。今まで見えていなかった巨大な違和感が、男の目にも全景の捉えやすい距離にまで遠ざかる。 残り20ピースも無いジグソーパズルを解いていくような感覚。1秒経つごとに、ありとあらゆる記憶の破片が集まって行き、形になる。 そして男は――全ての記憶を取り戻した。 「何でテメェが此処にいやがるレプリカがっ!!」 男が先ずした事は、ありったけの怒気を発散させて、部屋に入って来た短髪の青年、『ルーク』に対して怒鳴りかかる事だった。 本気で激昂していた。エメラルドに似た緑色の目には殺意にも似た感情が強く渦巻いており、ルークを気圧する。 実の兄が放つ凄まじい覇気に驚いたのか、ルークは思わず後じさった。 「な、何怒ってんだよ兄貴!? それに、レプリカって何だ!?」 オールバックの男が何に対して怒っているのか皆目見当がつかないらしく、ルークはただただ当惑の体を表すだけ。 一方怒気を今も放つ男は、ますます不愉快になっていた。まさかルーク、自らのレプリカに兄呼ばわりされる事が、此処まで腹ただしい事だとは思ってもみなかったのだ。 今にも殴り掛かりかねない程自らの心は昂っていたが、それをオールバックの男はグッと押さえた。もっと聞きたい、大切な事があったからだ。 「テメェ、ヴァンの野郎はどうした!? ナタリアは!!」 「だから、何に怒ってんだよ兄貴!? ナタリアはゴッサムにはいないし、ヴァン先生もちゃんといるだろ!?」 ふざけんな、と本気で殴りに掛かろうかと思ったが、停止した。思い出したのだ。 ナタリアはこの世界に於いては、議員の家系に相応しいやんごとない身分の親戚筋の令嬢で、ゴッサムから離れた州の屋敷で過ごしている筈。 一方ヴァンと呼ばれる男は、この邸宅で執事長兼、オールバックの男とルークの武術指南をしている男だ。 ゴッサムの治安の悪さに常に憤り、自衛手段の大切さを説く正義感の強い男で、邸宅の皆の信頼も厚い。 自分が今、とんでもない状況に巻き込まれている事に漸く気付いてしまった男は、「クソがっ!!」の言葉を捨て台詞に、 弟のルークを突き飛ばし、廊下を駆け出して行った。「待てよ兄貴っ!!」、後ろでルークが呼びとめる声がするが、男は止まるどころか、 走る速度を更に速めて遠ざかる。 悪夢なら覚めてくれ。俺には時間がないんだ。 縋るような思いでそんな事を考えながら、ゴッサムの有力議員、ファブレ議員の双子の息子の片割れ、アッシュ=F(フォン)=ファブレは、 邸宅の外へと飛び出して行くのだった。 2: 神は容易く、アッシュの期待を裏切った。 遥か向こうで、故郷キムラスカの壮麗な大城よりも高い建造物が、まさに林のように建ち並んでいた。夜だと言うのに、その様子が解る。 見るが良い、その建物が放つ、煌びやかな光彩の乱舞を。建物に夜空の星星がくっ付いているかのように、様々な色の光を建物は放っていた。 このような光景を、この国の人間は百万ドルの夜景と比喩するらしい。故郷キムラスカは当然の事、マルクト帝国ですら、このゴッサムの経済規模には到底かなうまい。 この光景をすんなりと受け入れてしまった自分自身に、アッシュは深く絶望していた。 こんな風景など、ゴッサムシティの住人であると言う役割を与えられた自分にとっては極々普通なのだと、頭と心が語っている。 それだけじゃない。あの時ルークが語っていた、ナタリアが自分の親戚で遠い所に住んでいると言う事も、 ヴァンがルークとアッシュの剣術指南をしている男だと言う事も、親子の縁など当に切って久しい父母が、今本当に自分の父母になっていると言う事も。 アッシュにとっては普通の事であり、全く問題がない事なのだと、頭と心が言っている。 ……違う。自分を取り巻く本当の環境と、本当の人間関係は、この世界の中でのそれではない。 破滅的な虚無主義の延長線上の主張を唱えるあの男、ヴァンの狂った野望は、最早佳境に入っていると言っても良かった。 一度世界の全人類及びその世界を完全に消滅させ、その後で、旧世界の人類のレプリカ――ゴッサム風に言うなればクローンか――で世界を満たし、 新しい世界の創造を企もうとするヴァン。そして、この狂気の沙汰としか思えない計画を防ぐ為に、自分と、ヴァンが計画の一環として創り上げた、 アッシュ自身のレプリカであるルークは活動をしていた筈なのだ。 一刻も早く計画を頓挫させねばと焦るのには、確かにヴァンの計画が大詰めに入っていると言う事も大きい。 しかしそれ以上の原因として、アッシュに残された時間が少ない、と言う事があった。 ――アッシュは、近い将来消えてなくなる。 己の劣化コピーだと思っていたルークが実は完全同位体と呼ばれる極めてレアなケースのレプリカである事を本格的に知ったのが、 スピノザなる音機関の専門家に聞いた時であったか。完全同位体。音素振動数、言うなれば、彼らの居た世界で、指紋同様原則他人と一致する筈のない、 身体から放射される物質の波長が、レプリカとオリジナルで同一のものを指す。 自然界では間違いなく生み出しえないペアであり、机上の空論での存在にしかすぎなかったようであるが、万が一これらが現実世界に現われた場合、 オリジナルを構成する音素や情報が緩やかに発散され、肉体共々消滅し、コピーであるレプリカに取り込まれる、大爆発(ビッグ・バン)と呼ばれる現象が起こると言う。 そしてその予兆は、既にアッシュは感じ取っていた。身体能力や、音素の衰亡の兆し、今になってそれが表れ始めたのだ。 このままでは、死ぬに死ねなかった。アッシュは自分の手で決着をつけたかったのだ。 結果的には自分を預言(スコア)から救った恩人であり、過去の事情から歪んだ思想に直走ってしまった、ヴァン・グランツを。 この手で討ち、惑星・オールドラントを救いたかったのだ。なのに自分は、放っておいても死ぬと言う。 こんな無体な話が、あってたまるか。家族と過ごす時間、国の為に尽くす時間、未来を共に歩む事を約束した最愛の女性、キムラスカの王女ナタリアと生きる時間を、 全て丸々台無しにされた挙句、最後のけじめすらつけられずに逝くなど、断じて認められない。 アッシュは、自らの余命の短さに、焦っていた。生き急いでいるのだった。 苛々が頂点に達してしまい、手近なところにあったダストボックスを蹴り飛ばすアッシュ。 考えもなしに歩いていたら、邸宅から大分離れたところにまで足を運んでしまったらしい。ゴッサムのオフィス街大通りへと繋がる小道だった。 まだまだ治安の行き届いた地域ではあるから、この近辺には浮浪者やホームレスと言った、無粋な輩は存在しない。しかし、それ以外の者も存在しない。 言うなれば、人通りの少ない寂しい道、とでも言うべきか。富裕層が住んでいる地域と、中産階級者が働いている戦場を繋ぐ道の1つであるこの小道は、 明るい間でも人の数がまばらなのである。況や、夜の10時11時のこの時間など、滅多に人など見られないだろう。 今後どのようにしてゴッサムから脱出したものか、そんな事を考えていたその時であった。 外灯に照らされているその男は、如何にも仕立ての良さそうなスーツを身に纏った、出来るビジネスマン、と言った風情のブロンド髪の男。 先程ダストボックスに八つ当たりした場面を見られたかも知れない。バツが悪いと思いながら、この場から距離を離そうと思った、刹那の事。 スーツの男の近辺に、それまでアッシュの視界に映っていなかった人物が、瞬間移動でもして見せたかのようにその場に現れ始めたのだ。 驚いて目を見開かせるアッシュ。この現象、頭の中に刻まれた情報に記されている。これは確かサーヴァントの霊体化を解除した時の――。 スーツの男の傍に現れたのは、ゴッサムどころかアメリカの文化にそぐわない黒装束を身に纏った人間であった。 次々と、アッシュの頭の中に情報が浮かんでは消える。「アサシンか――!?」、頭が勝手に推理を弾き出す。 黒装束の男が、右腕を水平に振った。男の手から、矢のような勢いで何かがビュッと空を切り投げ放たれた。 短剣であった。そのまま行けば、アッシュの喉元に深々と突き刺さる程の勢い。これをアッシュは、危なっかしげに剣身を弾き飛ばし、事なき事を得る。 明らかに視界の先15m程先に居る2名が、驚いた顔を浮かべる。あれで仕留めるつもりであったらしい。 これでもアッシュは、もと居た世界でも屈指の実力者であるヴァン・グランツから剣術の手ほどきを受け、 ローレライ教団と呼ばれる巨大な宗教組織の大幹部、六神将の席の1つを預かるにまで成長した凄腕の戦士でもある。 そう簡単に命を差し出す程、彼は甘いタマではないのだった。 「テメェ、何しやがる!!」 当然、怒気を身体から放射するアッシュ。先程のルークの時とは違い、今度明白に殺意も纏っていた。 「アサシンの短剣を防いだ……、貴様、NPCじゃないな!?」 気を取り直したという様子で、スーツの男が言い放つ。 NPC。それは、此処ゴッサムに住んでいる、聖杯戦争の参加者以外の全住人の総称の筈。そしてその名称を使い、口にする人物。 それはつまり、自分が聖杯戦争の参加者であると公言しているに他ならない。 「まさか……聖杯戦争の参加者か!!」 思わず口にしてしまうアッシュ。しかし、これは悪手だった。 聖杯戦争へと参加している人物が、マスター、しかも見たところサーヴァントを連れていないマスターと出会ってしまったのならば、次に行動する事は何か。 その答えは、1つしかない。サーヴァントを呼ばれる前に―― 「殺れ、アサシン!! 今の内に脅威の芽を摘んでおけ!!」 こうなるのは、当然の帰結であった。 アサシンと呼ばれたサーヴァントが、1秒掛かるか否かと言う程の凄まじい速度で、間合いを詰めて来た。 宛ら疾風。「速い」とアッシュが思考する前に、彼は身体全体を急いで左半身にする。 サッ、と言う音すら立てずに、何もない空間を、アサシンが左手で握るナイフが貫いた。スカを食ったと即座に気づき、行動に移る前に、アッシュが動いた。 今は剣がない。だから、裸拳でサーヴァントを殴ろうとするが、攻撃が、すり抜ける。攻撃の延長線上から、アサシンの姿が消えていた。霊体化したのである。 「何ッ!?」 思わず口にしてしまうアッシュ。神秘のない攻撃では、極めて高位の存在であるとは言え霊体の域を出ないサーヴァントには、ダメージを与えられない。 神秘を纏った攻撃方法が、アッシュにはない訳ではない。純粋に、サーヴァントに纏わるその事実を忘れていたのである。 「今だ、殺れっ!!」 スーツの男にそう言われるまでもなく、霊体化を解いたアサシンのサーヴァントがナイフを振るう。 急いで回避をしようと、スウェーバックの要領で飛び退こうとした、その瞬間だった。 アサシンの身体が、木の葉のように宙を舞った。大人がボールを投げた様な見事な放物線を描きながら、2~3m程の高さを、だ。 結果的にアッシュに剣身は当たる事がなかったのだが、それとこれとは話は別。今度のアッシュは、突如吹っ飛ばされたアサシンのサーヴァントに驚愕していた。 そしてそれは、そのマスターにしても同じ事。地面に何とか着地するアサシン。3者は一様に、アサシンを吹っ飛ばした闖入者に目線が釘付けだった。 「間に合ったようで何よりだな」 右足を伸ばし切った状態で、その男はぶっきら棒に口にした。 灰色のマントを身に纏い、ゴッサムシティが栄えている今のこの年代よりも未来的なデザインをした、同じく灰色の、 運動に適したような機能的なスーツを着用した男性だ。何よりも目を引くのが、アッシュと同じ様な、燃え上がるような赤色の髪。 文字通り、炎が其処で燃え上がっているかのようであった。 「俺の……サーヴァントか」 漸く合点が行ったと言うように、アッシュが呟いた。 「真名は後で教えてやる。今は、バーサーカーとでも呼んでおけ」 言って、バーサーカーのサーヴァントは一歩前に出た。バーサーカー、確か狂戦士のクラスであったか。だが、引っかかる。 狂戦士のクラスは確か――理性を狂化と言うスキルで塗り潰され、大抵のサーヴァントは会話すらままならなかった筈だが……。 バーサーカーは懐からある物を取り出し、アサシンのサーヴァント達にそれを向けた。 流石のアッシュも目を剥いた。無理もない。この男が取り出した代物は、黒色のグレネードランチャー。 こんな物を僻地でもない、オフィス街や住宅街の境の道で発射しようものなら、如何なる事態になるか、容易に想像がつく。 「馬鹿め、そんな物此処で撃てるわけがないだろうが!!」 当たり前の事実をスーツの男が口にする。当然だ、この場でグレネードなどと言う目立つものを撃ってしまえば、爆音と爆風で人が集まる事ぐらい誰でも解る。 それはつまり、自身が聖杯戦争の参加者であると言う事実が、早期に割れかねないと言うリスクを負うと言う事でもあった。 早々にそんな真似を犯す人間など、頭がぶっちぎれてるか、相当な馬鹿以外に存在しない。 そしてこのバーサーカーは、そんなリスクなど、重々承知しているらしい。ヘッ、と、相手を小馬鹿にするような笑みを浮かべて、言った。 「当たり前だろうが。……グレネード何て生易しい手段で相手してやるかよ」 言ってバーサーカーは、ゴミでも投げ捨てるかのような要領で、グレネードランチャーを地面に捨て、右手の甲をアサシン達に向けるようにして構えた。 前腕の辺りに、奇妙な痣が刻まれていた。燃え盛る弾丸に、牙のついた口の意匠を凝らした、タトゥに似た痣。 その痣が、唐突に光り輝いた。その痣を中心として、バーサーカーの体中に、赤色の光の筋めいた物が走り始める。 今度は、無色の光が繭の様に彼の身体を包み込んだ。ゼロコンマ数秒経ったか否かと言う、短い時間。 蝶が蛹を突き破るようにして、中からバーサーカーが現れた。しかしその中から現れたのは、蝶などと言う優美な存在では断じてなかった。 そして、バーサーカー自身も、最早人間の姿をしていなかった。 2m半はあろうかと言う巨大で厳つい体躯に、広い肩の上に、トラバサミのような牙を携えた半円形の頭部を2つ載せて持った、深紅色の異形の怪物だった。 肩回りと腰回りに、ゴツゴツとした黄土色の、三角錐状のものがフジツボの様に纏わりついている。この怪物の甲殻とでも言うべきだろうか。 人間の形を全体的に留めていない怪物がその場に現れたものであるから、スーツの男やアサシンは愚か、歴戦の勇士であるアッシュですらが、言葉を失っている。 相手が呆けている、その隙を狙い、バーサーカーが動いた。 刹那――世界が橙色の光に染まった。グレネードが暴発した? 違う、爆風よりも遥かにその光は明るかった。 宛ら、太陽が地面に降りて来たような、強く明るい光の爆発。それまでバーサーカーに目線を奪われていたアッシュが、光の生じた方向。 つまり、スーツの男達の入る方向に目線を向けた時、その理由がハッキリとわかった。 アサシンの肩より上の部分が、完全に炭化していた。見事なまでに炭色。誰が見た所で、即死は免れない程の見た目である。 誰が見ても勝負あり、と言うべきなのに、バーサーカーは動く事を止めなかった。 先程アサシンが投擲した短剣に勝るとも劣らない程の速度で、バーサーカーはアサシンの亡骸の下へと詰め寄った。 マスターを仕留めるのだろうかと思ったアッシュ。そして事実、その通りの行動にバーサーカーは移った。 しかし、その方法が予想不可能であった。いや、バーサーカーが見せた抹殺のメソッドを予測しろと言うのは、殆ど無理だったであろう。 バーサーカーがして見せた事。それは、熊の倍以上もあるその大きい手から白色の鉤爪を飛び出させ、アサシンの身体を引き裂き、切り刻み。 細切れになったその死体を、口に運んで咀嚼し始めたのだ!! 肉を噛み潰す音、骨を噛み砕く音、耳を塞ぎたくなるようなグロテスクな水音。 それらが殆ど同時に、アッシュとスーツの男の耳朶を打つ。バーサーカーの食事は早かった。人間1人分の大きさの肉が、ものの10秒程で欠片もなくなっていた。 口元から血を滴らせ、黄土色の三角錐に血液が鍾乳液の様に伝って行く。 バーサーカーの目線は、スーツのマスターに向けられていた。 「く、狂ってる……」 「狂戦士だからな」 深紅色の怪物が言った。このような姿にはなっているが、間違いなくこの男はあのバーサーカーであるらしい。 質の悪い、歪んだスピーカーを通したような声でそう言ったバーサーカーの声音は、無慈悲その物であった。 「た、頼む、見逃してくれ……あ、あんな死に方……嫌だ……!!」 スーツの男が情けなく懇願する、が、責められまい。 剣で真っ二つにされる、槍で貫かれる、体中の骨を砕かれる、と言う方法ではなく、生きたまま文字通り喰らわれるのだ。 誰だって、そんな死に方は御免蒙るであろう。今だけはアッシュは、この男を情けないと罵る事が出来なかった。 「やだね」 尚もバーサーカーは無慈悲であった。彼我の距離3m程を一瞬で詰め、大きな頭の内の1つを高速で動かした。 ――スーツの男の顔面が抉られていた。肉の地面をスコップで掘ったような、すり鉢状の凹みが頭に出来上がっており、其処から大量の血液が噴出する。 ガクガクと、電流でも流したような痙攣を起こしたスーツの男は、そのまま、糸の切られたマリオネット宛らに地面に崩れ落ちた。 その死体を、意気揚々とバーサーカーは細切れにし、口に運んで行く。ハイエナではない、餓鬼や悪魔でも見る様な目でアッシュはその様子を眺めていた。 食道をせり上がってくる嘔吐感に気付いたアッシュは、先程蹴り飛ばしたダストボックスに直行する。その日の夕食を、彼は勢いよく全て吐き戻した。 3: 「外れだろうよ」 事もなげに、バーサーカーのサーヴァント――『ヒート』と言う真名のその男は言った。 その言葉は、アッシュの問い掛けた質問、「自分で自分をどんなサーヴァントだと思ってるんだ」、と言う問いに対する答えでもあった。 今のヒートは、最初に会った時のような、赤髪の男性の姿に戻っている。何でもあの怪物に変身する技術は『宝具』であり、自らの意思で自由に解除が効くものであると言う。 「自覚してんのかよ、お前は」 何処となく侮蔑する様な光を瞳に宿して、アッシュが言った。 先程アサシン達を喰らった場所から離れた、ゴッサムのオフィス街の路地裏での会話だった。 「自分で自分がどう言う奴なのか位は解るつもりだ。バーサーカー自体、聖杯戦争のクラスの中じゃ扱い難いクラス。その中でも俺は、かなり扱い難い部類だろうよ」 「意思の疎通が出来るのにか」 アッシュ自身、聖杯戦争に対する知識は聖杯が自身が埋め込んだ、マニュアル的な物しか頭に入ってない為、詳しい事は解らない。 しかし、狂化スキルによって理性を塗りつぶし、コミュニケーション能力や言語能力と引き換えに力を得ると言うバーサーカーの性質上、 先ず真っ先に考えられる破滅の原因は、それによる自滅だ。だがヒートは、バーサーカーであるにも拘らず、言語能力や理性をそのまま保持している。 であるのに、ヒートは自らを一切の迷いなく外れと言い放った。これがアッシュには、妙なものに映ってならなかった。 「意思の疎通何て問題にならない位の爆弾を抱えてる。その爆発を抑える為に、人を喰ったって訳だ」 「……本当か?」 怪訝そうな目でヒートを見る。チッ、と、不愉快そうに舌打ちを響かせたのは、ヒートの方であった。 「好き好んで人間なんて喰らうかよ。他にいい方法があるんだったら、もっとマシな方法を取ってるぜ」 嫌悪感を露に、ヒートが愚痴っぽく吐き捨てる。 アッシュにはヒートのこの様子が、人間を喰らわねば生きて行けない自分と言う生き物に対して、心底軽蔑し、自嘲している様にも思えた。 「悪い」、短く告げるアッシュに対してヒートは、「気にすんな」、とぶっきらぼうに声をかけた。 その後、どうしてヒートが人間を喰らわねばならないのか、という理由を説明して貰った。 ヒートの主力宝具は、先程見せたあの怪物化――彼らの世界では悪魔化と言う――であると言う。 一見すれば理性など欠片もなさそうな姿をしていたにもかかわらず、ヒートはあの状態においても元の人格や理性を残し、言葉すら話せるのだと言う。 では何故この男がバーサーカーのクラスの鋳型にはめられて、このゴッサムに現れたのか。 それはヒートは、かなりの頻度で人間を喰らわねば『怪物化する宝具を暴走させてしまう』からだという。 何故暴走するのかと言えばそのメカニズムはシンプルで、純粋に、抗い難い程の餓えに苦しむのだとか。この苦しみの名前はシンプルである、『飢餓』だ。 この飢餓が、バーサーカークラスになくてはならない『狂化』の代わりになっているのである。 ただ、狂化との決定的な違いは、狂化の方は狂う代わりにステータスアップの向上と言うメリットがあるのに、飢餓には『それがない』。 つまり飢餓とは、発症してしまえば、魔力の消費量だけは一丁前に跳ね上がる癖に、ステータスアップの恩恵は全くなく、 その上一部のスキルがほぼ何の意味もなさなくなるなど、完全なるデメリット、足枷にしかならないのだ。これを防ぐ為に、生きた人間を喰らう必要があると言う事だ。 ――なる程、確かに自ら外れと自嘲気味に語るだけの事はある。 スカと言うにはヒートのステータスもスキルもかなりのものであるが、少なくとも、その手綱を操るのは相当苦労する事は確かだ。 ただでさえ御し難いクラスであるバーサーカー、この上バーサーカーのメリットである狂化によるステータスアップが全くないと言うのならば。 確かに、扱い難い存在であると言う評価は、不可避のものであるだろう。 「幸いにも、この街には喰らっても問題なさそうな犯罪者が多いみたいだからな、良心の呵責にお前が苦しまなきゃ問題ねぇだろうよ」 「……人間を喰らうのは嫌いなんじゃないのか?」 「嫌いとはお前に言った覚えはねぇが……まぁ嫌いだよ。だが、それ以外に方法がないんだったら、俺は躊躇なくやる」 「胸糞わりぃな……」 唾棄するように言い捨てるアッシュ。それを聞いて、ヒートの身体に、剣呑な空気が纏われ始めた。 その変化に気付いたアッシュが、唐突に身構えた。 「昔よ……俺と同じで悪魔化出来るようになってからも、人間を喰らうのは嫌だったって言って、我慢してた女がいた」 頭上を見上げながら、ヒートが語り始めた。その声音からは、懐古と回顧をありありと感じ取る事が出来た。 「案の定、暴走したよ。哀れな話だよな、誰も喰いたくねぇって本気で思ってたのに、身体が精神を凌駕して、それを許さなかったんだからな」 「その女ってのはどうなった」 「俺達に襲い掛かって来たからな。俺達の手で始末した。その時にな、俺は思った。 変な御題目掲げて苦しんで、暴走して、それで仲間に牙向く位なら、向かって来る奴らを喰らう方が良いってな」 アッシュは、次に言おうとしていた言葉を忘れてしまった。 そして、忘れてしまった代わりに、心の中に湧いて出て来た感情が、何て哀れな生き物なんだろう、と言うこの男に対する同情であった。 喰らわなければ生きて行けないのは、人間である以上アッシュも同じ。だがその意味合いと重みが、ヒートとアッシュとでは全く異なる。 ヒートの場合喰らわねばならないのは人間で、しかも喰らわなければ暴走し、同じ仲間も傷付ける。 生きる為に、許されざる罪を重ねねばならないヒートの姿と宿命に対して、アッシュは、憐憫以外の感情を抱く事が出来ないのであった。 「お前は、聖杯とやらに叶える願いってのはあるのか」 アッシュは、ヒートに対してそんな事を訊ねてみた。 これだけの業を背負った男である。並々ならぬ執着を抱いて、この聖杯戦争へと馳せ参じたに違いない。そう考えていたのだ。 「ないな」 予想してなかった返事に、アッシュは意表を突かれた。 ヒートは即答であった。強がりでもなければ嘘をついている様子もない。腕を組み、壁に背を預けている様子からは、本当に、聖杯に対する執着心を感じられない。 ある種、達観しているようにすら思える立ち居振る舞いである。 「やるだけの事は、もといた所でやって来たつもりだ。だから、頼る気はねぇよ。……お前はどうなんだよ、マスターさんよ」 やはりと言うべきか、当然聞かれ返された。 「果たさなきゃいけない事をやってる最中に、此処に飛ばされた」 遠回しに、未練がある、と言っているようなものであった。 聖杯戦争。何の因果か知らないが、アッシュは本人の意思とは無関係に、この聖杯戦争への参加権を得てしまった。 ヴァンとの決着の為に、最後の物資を揃えていた時に、奇妙な人形が売られているのを発見した。 何かしらの音素が込められた装飾品の類かと手を伸ばした所、全く笑えない。それこそがシャブティであったのだ。 こんな所で油を売っている時間など、ないと言うのに。 「俺はもうすぐ、世界から消えてなくなる」 「死ぬって事か?」 「そうだ」 「……の割には、健康そうに見えるけどな」 「普通の奴から見たらそう見えるだけだ。だが確実に、俺の身体は段々と死に向かって行ってる。近い将来には、確実にいなくなる。……その前に、殺しておきたい奴がいる」 「復讐か?」 ヒートが聞いて来たが、アッシュはすぐに「違う」と否定した。 「自分の馬鹿げた思想の為に、惑星中の人間を道連れにしようとするような奴さ。そして……俺の恩師でもある。俺は……そいつを自分の手で、せめて葬ってやりたい」 「それが、聖杯にかける願いか?」 言われて、改めてアッシュは考えた。本当に、それで良いのだろうかと。 ヴァンを葬りたいと言う思いは、本当である。自分の剣で倒したいところだが、それも出来ない程衰弱したならば、どんな手段も辞さないつもりだった。 自分が志半ばで倒れたら、自分のレプリカが後を継ぐであろう。ではそのレプリカがダメだったら……? それが、最大の懸念でもあった。 ヒートの言う通り、聖杯でヴァンを葬り去るのが、今この状況において一番良い手段であるのかも知れない。 だがその為にアッシュは、聖杯戦争に参加している参加者を何人も殺さねばならないのだ。果たして其処に大義などあるのだろうか。 ――ないな、即座にアッシュは結論を下した。ある訳がないのだ、人間を殺して成し遂げる奇跡など、認められる筈がない。そんな事は解りきっている。 しかしそんな綺麗事を言っていられない程に、事態は逼迫していた。ヴァンの計画は大詰めに入っている上に、自分に残された時間も少ないのだ。 その為ならば、この大会の参加者を殺す事だって、訳はない。アッシュはぬるま湯に浸かって来たと言う訳ではない。 ローレライ教団の六神将として、様々な任務をこなし、人を殺す場面だって少なくなかった筈だ。 今回は、聖杯を手に入れ、絶対に成し遂げねばいけない願いの為に人を殺す。それだけだ。 ――……何だ。結局俺も、ヒートを蔑めねぇじゃねぇか……―― 自らの目的の為に人を殺す自分と、生きる為に人を喰らうヒート。 相手の命を奪う方法が違うだけで、やっている事は本質的には大差ない、その事に気づいてしまった時、アッシュは思わずクツクツと笑いそうになった。 だったらもう、変に言い繕うのは止めだ。自分の本音を、曝け出す必要がある。 「そうだ。聖杯戦争なんてふざけた場に呼ばれた以上……もう四の五の言ってられねぇ。全力でこの場所で戦う。 折角聖杯って便利な物があるんだ、けじめをつける道具として使わせて貰う。……だから、手を貸してくれヒート」 「構わねぇよ」 逡巡するだとか、もったいぶるだとか、そう言ったまどろっこしい事を一切せず、ヒートはすぐに答えた。 「ただ、俺は負けるのだけは絶対に嫌いな男何でな。恥かしくねぇ動きをしろよ、アッシュ」 「解ってる」 「後、もう1つ」 「何だ」 「……後腐れのねぇように動け。それだけだ」 怖い位真面目な顔付きで、ヒートが言った。 過去に何か、思う所があるような空気である。ないほうが、寧ろどうかしていると言うべきだろう。 人を喰らわねば生きて行けない宿命を背負っているのだ、それに纏わる不幸の1つや2つ、あって然るべきだろう。 ヒートが過去に、何を体験し、どんな辛酸を舐めさせられたのか。それは、アッシュに想像する事は出来ない。だが、今のアッシュに出来る事は、1つ。 「――解った。今後ともよろしく頼む、ヒート」 それは素直に、この業の深いサーヴァントの言う事を、聞いておく、と言う事であった。 返事に気をよくしたのか、ヒートはニッと、片頬だけを吊り上げた笑みを浮かべて、口を開く。 「コンゴトモヨロシク、ってか。アッシュ」 言ってから、両者は互いの腕をガッとあわさせる。 聖なる焔の光の燃えカスとして生きる事を強いられた男と、ウォータークラウンの男の引き立て役として死ぬ事を望んだ男の、過酷な戦いが、今まさに火蓋を切って落とされた。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 ヒート@DIGITAL DEVIL SAGA アバタールチューナー2 【ステータス】 (人間時) 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力D 幸運D- 宝具A+ (アートマ・ファイアボール発動時) 筋力A+ 耐久B+ 敏捷B 魔力C+ 幸運D (羅刹発動時) 筋力A++ 耐久E- 敏捷A+ 魔力E- 幸運D- 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 狂化:- バーサーカーでありながら狂化スキルを持たない。理性も保てているし、会話も普通にこなせる。 しかし後述の保有スキルが、狂化スキルの代わりになっている。 【保有スキル】 飢餓:A+ 抗い難い生物の本能。栄養素を摂取出来ない事による苦しみ。 バーサーカーを常に苦しませる生理現象であり、このランクの飢餓を発症させると、ステータス向上効果のない同ランクの狂化を獲得し、 後述する宝具を暴走させてしまう。完全なるデメリットスキルの上に、如何なる手段を以っても外す事は出来ない。 喰奴:A+ 『喰』らうと言う行為の『奴』隷。それがバーサーカーである。 魂喰いによる魔力摂取量の向上、及び日常的な食事からすらも魔力を獲得できるようになるスキル。 飢餓とセットになっているスキルであり、これもまた、如何なる手段でも外す事は出来ない。 対魔力:C(宝具発動・暴走時:B 羅刹時:C) 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 宝具発動させるか暴走させた時にはカッコ内のランクに修正。また、火の属性を持つ攻撃に対しては、魔力的な攻撃かを問わず、Aランク以下のそれを無効化。 勇猛:C(宝具発動時:A、宝具暴走・羅刹時:-) 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。また、格闘ダメージを向上させる効果もある。 宝具を正当に発動させた場合はAランクに、暴走或いは羅刹状態の場合には-に修正。精神干渉は無効化するがダメージ向上効果は発揮されなくなる。 魔術 -(宝具発動時:A 宝具暴走時:D 羅刹時:-) 人間形態時には魔術を行えないが、宝具を発動した際には魔術を使用可能となる。 全ての魔術が一工程或いは一小節で発動する事が出来、その威力と効果も非常に高い。 特に火の魔術を得意とするが、回復や強化の魔術を施す事も可能である。が、宝具を暴走させた場合には大幅にランクが低下。 火属性の攻撃魔術しか発動出来なくなる上に、正確な狙いが困難になり命中精度が下がる。羅刹時には、そもそも魔術が使えなくなる。 火天:-(宝具発動・暴走時:C 羅刹時:-) 火属性の攻撃を行う際に、威力を向上させ、またその属性の攻撃を防御する際、高い防御力を発揮させるが、『氷』の属性に多少弱くなる。 『アグニ』に変身する事で、獲得する事が可能なスキル。宝具を暴走させた状態でも獲得可能。 先制攻撃:-(羅刹時:A) 戦闘において先手を取る能力。初手において、かなりの高確率で先に行動が可能となる。 羅刹時にしか発動出来ないスキルで、ひとえにこの状態での規格外の敏捷ステータスがあってこそのこのランクである。 仕切り直し:-(羅刹時:A+) 戦闘から離脱する能力。同ランクの追い打ちの役割を果たすスキルを持たない限り、相手はほぼ確実に撤退を許してしまう。 羅刹時にしか発動出来ないスキルで、ひとえにこの状態での規格外の敏捷ステータスがあってこそのこのランクである。 【宝具】 『右腕に刻まれし炎の弾丸(アートマ・ファイアーボール)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:自身 止む事のない雨が降り頻り、終わる事のない戦いが起こり続ける仮初の煉獄、 ジャンクヤードに突如現れた謎の物体である『ツボミ』から放たれた、悪魔化ウィルスを伴った光条に貫かれた事で獲得した宝具。 これに貫かれた者は『アートマ』に覚醒したと言われ、身体の表皮の何処かにアートマシンボルと呼ばれる痣のようなものを刻まれる。 アートマに覚醒した者は、其処に力を込め、変身すると言う意思を持つ事で、刻まれたアートマシンボルに対応した『悪魔』に変身する事が出来る。 バーサーカーが変身可能な悪魔の名前は、バラモン教の神話に登場する、火の神であり、浄化の神でもある『アグニ』である。 ただ彼に限らず、アートマに覚醒した人間が変身する悪魔と言うものは、神格や魔性を有する本物の超常存在ではなく、どちらかと言えば、 それらと同じ名前と姿を持ち、かつ、それらに肉薄する身体能力と超常的な力の一端を振るう事が出来る『怪物(ミュータント)』に、その在り方は近い。 アグニに変身する事で、バーサーカーのステータスは、アグニ変身時に対応したものに修正される。 これにより戦闘能力の格段の向上や、バーサーカークラスでありながら高い威力と精度の魔術の使用が可能となり、三騎士に匹敵する程の力を得る。 アグニ変身時に使用出来る魔術や物理攻撃手段、及び装備可能なパッシヴスキルは、生前バーサーカーが習得していた範囲内に限る。 変身時に掛かる魔力も、変身を維持するのに必要な魔力も低い燃費の良い宝具だが、それは『飢餓スキルを暴走』させなかった時の話。 バーサーカーを含めた全てのアートマ覚醒者は、常に生体マグネタイトに餓えている状態を発症しており、 生体マグネタイトを経口摂取し取り込まない限り、この飢えは満たされる事がなくなる。 飢餓状態を暴走させると、消費魔力量がAランク相当の狂化持ちバーサーカーのそれへと跳ね上がり、勇猛と魔術ランクの大幅低下の発生。 更に敵味方問わず、その場にいる者を襲い、それらに喰らい掛かり、飢餓を抑えようとする本能が働く。 飢餓を抑えるには兎に角NPCやマスター、サーヴァントを喰らって生体マグネタイトを摂取すれば良いのだが、これを摂取し過ぎると、 バーサーカーの本来の人格が『消滅』、それに代わって、神話上の『アグニ』の人格が彼の性格に成り代わり、マスターの命令を一切受け付けなくなる。 飢餓状態のデメリットは、『宝具を発動させている状態限定で発動する訳ではなく』、人間の時の状態、つまり、常に発動している。 つまり、霊体化している最中でも飢餓を発生させてしまえば、バーサーカーはアグニへと変身し、その場で暴走してしまうと言う可能性を孕んでいる。 『羅刹』 ランク:D++ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:自身 バーサーカーがアートマを得るに至った悪魔化ウィルスと言うものはそもそも、5年前に起った、 テクノシャーマンの深い悲しみによって暴走してしまった太陽、その陽光に含まれる超常存在の『情報』を元に作られている。 この宝具は本来ならば、太陽の光に含まれる情報の波動、元居た世界で『ソーラーノイズ』と呼ばれるものが最高潮に達した際に、 バーサーカー本人の意思を無視して勝手に発動する宝具であった。今回の聖杯戦争の太陽、それが生み出す光にはそう言ったものはないが、 何らかの原因によりアグニの適切な変身プロセスを妨害或いはジャミングされた時、この宝具は発動。 発動するとバーサーカーは右腕だけがアグニの腕に変貌、後は人間の姿と言う半人半魔の姿に変身する。 この状態のバーサーカーは、ステータスを羅刹時の物に修正し、更にA+ランク相当の仕切り直しと、Aランク相当の先制攻撃スキルを獲得。 更に物理攻撃の威力がアグニ状態の数倍にまで向上し、敵の攻撃回避率が跳ね上がる。 そして何よりも、この状態のバーサーカーの攻撃は、ありとあらゆる魔術的な加護や障壁、耐性を無視し、本来与えられる筈だったダメージを与える、 と言う凄まじいメリットがある。耐久に優れないサーヴァントは、この状態のバーサーカーの攻撃を受けるだけで致命傷となる。 強力なメリットがある反面、デメリットも凄まじく、この形態からバーサーカー自らの意思でアグニ形態、人間形態への変身は不可能で、羅刹状態から数分の時間を経る事で、人間形態に戻る事が可能。 魔術、勇猛、火天スキルを失ってしまい、同時に、ステータス強化効果のないDランク相当の狂化も獲得。 前述のように攻撃の威力は極めて高いが、その攻撃の命中率は攻撃そのものが大ぶりの為極めて低く、極め付けが、 耐久と魔力がE-相当にまで下降してしまう為に、被ダメージが倍加する等、多大なリスクを抱え込んでしまう事。 余程の勝機を見出さない限りは、高い仕切り直しスキルを利用し、逃げた方が無難の宝具である。 【weapon】 グレネードランチャー: 人間時のバーサーカーが利用する近代兵器。アートマ覚醒前から使用している武器。 アグニに変身する時は、アグニの火力の方が遥かに優れる為、その場でこの武器は放り捨ててしまう。 爪: アグニに変身した際の武器。バーサーカーの筋力によって振るわれる爪の一撃は、鉄や鋼と言った金属を容易ぐ拉げさせ、切り裂いてしまう。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯自体には興味がないので、戦いを終らせてとっとと元の場所に戻る。だが負ける事は悔しいので、アッシュに聖杯をくれてやってから還る 【基本戦術、方針、運用法】 兎にも角にも、『飢餓』との付き合い方が最も重要となるサーヴァント。 狂化による理性と言語能力の喪失が平時に限り全くなく、宝具使用時のハイスペックなステータス、 かつ対魔力と言った防御スキルや勇猛と言った攻撃スキル、魔術を用いた搦め手など、本来のスペックは非常に高い。 そう言った長所を、飢餓は全て無に帰すだけでなく、戦闘能力が大幅に下がる上に一丁前に狂化してしまうと言う致命的な弱点すら負っている。 解決方法はNPCやサーヴァント、人間を喰らえば良いとはいえ、NPCを喰らい過ぎた場合は今度はルーラーによる討伐令すら下りかねない上に、 度を越して喰らい過ぎるとヒート本来の人格が消滅すると言うこれまた無視出来ないデメリットを負ってしまう。 非常に上級者向けのサーヴァントであるが、飢餓スキルによる利点を無理やり上げるとするならば、軍団を生み出す宝具に強い事だろう。 生み出される軍団を喰らう事で、理性が続く限りは永久機関となる事が可能であるからだ。が、ヒート本人は『待ち』の戦い方に性質上非常に弱い。 兎に角積極的に戦闘を仕掛け、飢餓を抑える事を最重要事項とする事が要となるサーヴァントである。 【マスター】 アッシュ@テイルズオブジアビス 【マスターとしての願い】 ヴァン・グランツの消滅 【weapon】 ローレライ教団の神託の盾(オラクル)騎士団が振るう長剣を所持している。 【能力・技能】 神託の盾の首席総長であるヴァンから、高いレベルで各種の剣技や格闘術を教わっている。 三騎士のサーヴァントと相手でも、それなりに打ちあえ、持ち堪えられる程度には優れている。 また譜術(魔術)の腕にも覚えがあるが、こちらの方は苦手なのか、本家の譜術士には想到技量が劣る。 本来ならば超振動と呼ばれる、如何なる物質でも消滅させる現象を単独で引き起こす事が可能な人物だったのだが、 ゴッサムシティにはアッシュが超振動を引き起こすのに必要な、『ローレライ』と呼ばれる意識集合体が存在しない為に、事実上発動は不可能。 【方針】 聖杯を勝ち取る。
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Girl 作詞/85スレ198 初めて会ったあの日から あたしの心(ハート) バクバクなの・・・ どうにかしてよ 話しかけてよ こっち・・・向いてよぉ・・・お願い そんな目で こっち見ないで あっち行ってよ ド・キ・ド・キ しちゃうじゃない 甘い声で 話さないで 顔見ないでよ ま・っ・か・に なっちゃうじゃない 期待しても・・・良いのかなぁ・・・?
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【マスター】 御剣怜侍@逆転裁判シリーズ 【参加方法】 殺人事件の現場に落ちていた、証拠品と思しき人形を糸鋸刑事が持って来た所、それがシャブティだった。 【マスターとしての願い】 聖杯戦争の真実と、その裏にいるであろう巨悪を暴く。 【weapon】 【能力・技能】 検事として優れた頭脳と推理力を誇る。が、身体能力については、特筆するべき所はない。 【人物背景】 優れた検事である狩魔豪に師事した、若干20歳と言う年齢で検事になった天才検事。 検事となって以降は一度も無罪判決を出した事がなく、間違いなく天才の誉れが高かった検事。 彼が初めて敗北を喫したのは、小学校時代の親友である成歩堂龍一と争った時である。 父親に、当時は高名な弁護士であった御剣信を持ち、ある時期まで父のような弁護士を目指そうと決意していた事があったが、 9歳の時に経験したDL6号事件と言う事件を切欠に父親を亡くし、それ以降、犯罪者と弁護士を憎むようになる。 DL6号事件での挫折から、嘗てのような正義感を失っていた御剣だったが、親友の成歩堂と出会い、彼と裁判上で争った事で心境に変化が見られ、 実際に殺人事件の被告人に御剣がなってしまい、成歩堂が彼の弁護を引き受けた結果、完全に心境が変わる。 以降は検事について深く考える為に検事業から身を引き、1年後に復帰。ある時期まで海外研修を行っていたが、友人の矢張から成歩堂の事故を聞き、緊急帰国。 彼の代わりに特別弁護を行い、事件解決後は、再びアメリカに戻り、1か月の研修を行うのだった。 今回の御剣は、逆転検事2の第5話と逆転裁判4において成歩堂が法曹の世界にいられなくなった事件が起こる間の時期からの参戦である。 【方針】 検事業を続けながら、他の参加者を探してみるか。
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【マスター】 広川剛志@寄生獣 【マスターとしての願い】 パラサイトに代わって柱の闇の一族と協力して地球上の生命の調整、間引きを行う 【weapon】 なし 【能力・技能】 生物的には通常の人間。超常の力など何も持ち合わせない。 だがパラサイトと協力しようという苛烈なまでの信条、人食いの怪物と共に過ごしたり武装した自衛隊相手に一歩も引かない胆力、市長選程度とはいえ選挙戦を勝ち抜きパラサイトと共生できる求心力などは常人のものではない。 【人物背景】 人間一種の繁栄よりも生物全体の未来を憂うべきとの思想を持つ政治家。 環境問題を重要視し、人間が地球にとって毒になったと考え、中和剤たる人間の天敵パラサイトと手を組む。 自治体の長となり人の流れを把握することでパラサイトに食事処を提供、保護し、市内の人間を少しずつだが間引いていた。 その後市役所内に多くのパラサイトが存在することがばれ、自衛隊がその駆除に乗り出すと自身の信条を語って聞かせるも過激ともいえるそれに同意を得られることはなく射殺された。 その瞬間の参戦である。 その思想の苛烈さやパラサイトと共存していたという点から皆彼のことを人間だとは思っていなかったようだ。 最強のパラサイト後藤にも「よくわからん奴」「人間から見てもかなり珍しい存在」と語られる異端児。 【方針】 少なくともエシディシと共に帰還したい 基本的に石仮面や他の柱の闇の一族の協力を得るために聖杯を勝ち取るよう動く。
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地球上の誰かがふと思った 『人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずに済むだろうか……』 地球上の誰かがふと思った 『人間の数が100分の1になったら垂れ流される毒も100分の1になるだろうか……』 誰かがふと思った 『生物(みんな)の未来を守らねば……』 ◇ ◇ ◇ はるか昔―― 人間が歴史を持つずっと以前の話、その生き物たちは進化の過程の中でこの地球に出現した。 その生き物たちは夜しか生きることができず太陽の光に当たると消滅してしまう…… だから彼らは地底に住んだ。 しかし…他の動物のエネルギーを吸い取ることによって長い年月生きることができた。 幻視人は彼らを神や悪魔として恐れた。 彼らは「死」の確率が低いので増殖の必要は少なくその生き物の個体数も少なかった。 だから争いもなく平和に暮らしていた だが突然そこに天才が一人生まれた その天才はより強い力が欲しいと願った そして自分たちの脳にはまだ未知なる能力が隠されていることを知りその能力を引き出すために天才は『石仮面』を作った。 石仮面は不死身の能力をもたらした。けれどもより多くの生命エネルギーを必要とした。 つまりより多くの生き物を殺さなければならない。放っておけば大地のすべての生き物を殺してしまうだろう。 その生き物の一族は石仮面を恐れた。その天才を恐れた。 「やつが存在するのは危険だ」 「あいつをこの地球から消してしまわなくてはならない…!」 「やつを殺してしまわなくては!」 その天才は逆に一族を皆殺しにし、自分を生んだ親をも殺すと事実を知らぬ赤子二人に仲間を一人連れ長い旅に出たのだった。 ◇ ◇ ◇ 人通りの少ない路地で、男たちでたむろしていた。 一人は白いスーツを着た、身なりのいい東洋人。 ほか数人、鉄パイプなど持ったガラの悪い浮浪者紛いの男たち。 別に男たちはスーツの男に恨みがあるわけでもない。 ただ金のありそうなところから持ってくる、そう考えただけ。 事実スーツの男はゴッサムの市政に関わるそれなりに裕福な身分だった。 鉄パイプが振るわれる。 左手に傷を負う。 スーツも破れる。 ポケットから硬貨が一つ地面を転がる。 硬貨にまで鉄パイプを叩きつける。 傷つき、もはや何と書いてあったか読めなくなる。 スーツの男が呟く。 やはり生きる価値のない人間が多すぎる、と。 蹴りを入れられ、地面を転がる。 左頬をすりむき、今度は小さな人形のようなものがこぼれる。 鉄パイプを振り下ろそうとする…… それを、人形……シャブティが変化した大男が受け止める。 容易く鉄パイプを捻じ曲げ、放り捨てる。 周りの男たちが数を頼みに殴りかかる。 拳は確かに当たるが、そのたびに大男に『喰』われて失われる。 恐怖の叫びをあげ逃げ出そうとするが、すぐに皆物言わぬ屍となった。 「おまえがマスターだな?」 ただ一人残ったスーツの男に話しかける。 「少し待て。魔力供給がない以上食事を摂らねばな」 そう言ってすぐに散らばった死体に向かう。 そして血を吸いあげ、皮も肉も残さず全て喰らう。 それを横目に身なりを整え、落としたものも拾う。 ……五百円硬貨。 ここ、ゴッサムシティではまず使えない物。 裏面を上にして転がっているが、傷がついて両面確かめなければそうと分からなかった。 自身の傷は大したものではないと確認すると、突如現れた大男に向かう。 「……前回私は敗北した。こと殺しに関しては地球上で人間の右に出るものはいない」 グキョグキョと骨の砕けるような肉の融けるような音の中スーツの男が朗々と語リ始める。 「人間はまだ気付いていないんだ。今すぐにでも人間の数を減らさなければならないということに。 自らの天敵をもっと大切にしなければならないということに。 天敵の存在が美しいピラミッドの頂点に収まることでようやくバランスが回復するということに」 話す男の傍らにいる大柄な男は先ほどの倍する体躯に膨張していた。 「兵器を有する軍隊ではだめだ。稚拙で傲慢な飾りに囚われ、蠢くことしかできん。 パラサイトでも……残念ながらだめだったようだ。生態はともかく天敵としては役者が足りなかったのか…… だがきみならば……!サーヴァントのような超常の存在であるなら、真に万物の霊長たり得るはずだ!」 「…………おまえは変わった『人間』だな。おれのことを知って恐れでも嫌悪でもなく歓喜を覚えるとは」 喰い散らかすなんて行儀の悪い真似はしない。 衣服はさすがに残るが、きれいに『片付けた』。 腹ごしらえを終え、改めて向き合う。 信念を語ったスーツの男とそれを聞いていた民族衣装の大男が対峙する。 「おれは人間を…吸血鬼に成った人間の方が好物だが…喰らう生き物。 おまえはそれが、食物連鎖の頂点に立ち人間の数を調整する存在が欲しい、と」 「理解が難しいのは自覚している。人間はおろかパラサイトにも共感は殆ど得られなかった。それでも今度こそ―」 「だから気に入った」 かつて同朋は夢を語って聞かせてくれた。 太陽を克服したいと思わないのか。何物をも支配したいと思わないのか。あらゆる恐怖をなくしたいと思わないのか。 それにおれはただ一人共感した。 父も母も同族のほぼ全てを殺して共に歩み出した道。 それは更なる進化と、一族の破滅どちらの可能性も宿していた。だが、だからこそ生物としてあるべきものに思えた。 あいつはどこへ行くのだろう。おれもあいつと共に行けば進歩できるのだろうか。 その答えは旅の先にあるはずだった。 こいつも、カーズと同じ異端児。 そいておれと同じ、夢よもう一度と未練がましく執念深い敗者。 「遮るようだが、おまえの目的はおおむね理解した。残りは聖杯を取ってから聞かせろ」 「それでは…!」 「おまえの目的だけならこのまま帰還すれば叶わなくはない。寝床にまだいくつか石仮面もあったはずだからな。 だが、おれの目的は聖杯がなくては叶わん。協力してもらうぞ」 おれの遺志は結果だけいえば届いたようだ。あいつは究極の生命体になった。 だがこの地球からあいつはいなくなってしまった。 闘いに拘るワムウや熱くなりやすいおれならともかく、目的至上主義のあいつがおれたちの復讐なんて考えて躓くとは。 肝心なところでおれ達がいなければならないのはいつまでも変わらんな。 再び、生きて地球で会おうではないか。 「おれの願いは今は亡き同朋とともに蘇り、かつての夢を果たすこと。お前の目的とそうずれるものではない。 ……改めて名乗ろう。おれはアーチャーのサーヴァント、『炎のエシディシ』。 おまえがその願いを失わない限り、マスターとして認めることを宣言する」 今度こそ、生命の頂点に立つ者を迎えるために。 【クラス】 アーチャー 【真名】 エシディシ@ジョジョの奇妙な冒険 【パラメーター】 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力D 幸運D 宝具B+ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 対魔力:A+ 現代の魔術はおろか神代の魔術を用いても彼を傷つけるのはほぼ不可能である。 十万年以上の長きにわたり生きつづけ、積み上げたその神秘は破格のランクを誇る。 単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 【保有スキル】 原初の一(偽):D 偽りのアルティメット・ワン、アルティメット・シイングに至る進化の過程。生まれついての吸血種が宝具による肉体改造で変異したたった4人の柱の闇の一族、その一人。 英霊の座においてもその4人しか持ちえないスキルであり、Dランクでも破格のもの。 本来の原初の一のように星のバックアップは受けられないが、関節を無視した柔軟な動き、卓越した身体能力、肉体の再生、全身の細胞からの捕食、他の生物との一体化など様々な能力を持つ。 とある二つの宝具を用いればこのスキルは最高ランクとなるが彼はそのうちのいずれも持ち合わせていない。 王佐の才:C+ 王たるものを支える才。 味方のカリスマを1ランク向上させ、また同ランク以下の反骨の相などカリスマを無効化するスキルを無効にする。 加えて王の目的や命令を達成するための情報収集や援護などにおいて有利な補正を得る。 令呪によるバックアップもより強力な効果が得られるが、逆に高い対魔力を保持するにも関わらず不本意な令呪による命令への抵抗力も低下する。 生前は仲間より先んじて赤石のありかを突き止め、またただ一人王たる者の味方をして同族を全滅させる援護を行うなどした。 またこのスキルを持つ者はマスターとの仲が険悪になりにくい。 ラーニング:A 僅かに会話を耳にしただけで異国言語を習得、一目見ただけで銃を分解、発達した文明にも瞬く間に馴染んで見せるなどを可能とする高度な学習能力と適応力。 見聞きした技能を学び取ることが可能。 特に彼は『孫子』などの戦術的駆け引きを貪欲に学ぶため、サーヴァントとなった今でも後述する2つのスキルのランクが戦闘を重ねるたび向上していく可能性がある。 詭道の所作:C+ 言動によって相手と自分の思考を誘導、操作し自分に有利な状況を作り出す。 心理を読み取り次の行動を図る洞察力、観察力、そして自身の精神状態を把握する冷静さが重要となる。 魔術ではなく精神的な干渉であり、精神耐性系のスキルで抵抗可能。 同様に他者からの精神干渉に対する抵抗力としても機能する。また泣き喚くことで冷静になり、より強力な精神干渉からも解き放たれることが可能。 陣地攻略:D 世界を回り、様々なものを見た知識に加え数多の実戦によって得た経験値。 工房などの攻略に有利な補正を得る。 針の敷き詰められた闘技場での巧みな立ち回りや、シェルターのような密閉空間から空気供給管を利用しての脱出なども可能。 【宝具】 『怪焔王の流法(モード・オブ・フレイム)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0~2 最大捕捉:2人 原初の一(偽)による肉体操作の極みにより彼らは固有の流法を持ち、エシディシのそれは熱を操る炎の流法である。 代謝による体温の上昇を利用し血液を500℃まで上昇させ放つことができる。 主に手や足の先端部分から血管針を出し放射する。 副次効果として温度の上昇を伴う為、冷気や気流の扱いを乱すことが可能。 『怪焔王大車獄の流法(モード・オブ・インフェルノ)』 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:0~4 最大捕捉:10人 通常手足の先端からしか血管針を放たないのは精密動作が難しい箇所で自発的に裂傷を作るのが難しいためである。 逆に血管針を放てるならどこからでも血液の放射は可能である。 相手に追わされたダメージや自傷による傷からより広範囲に血管針および熱血を放つ。 受けた傷も肉体の一部とし、積み重ねたダメージも能力の一環として扱う勝利への執念の具現化といえる。 『肉体は死すとも執念は死せず(スティル・アライブ・ビーイング)』 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 霊格が破壊されても脳と血管は消失せずに現界し続ける。この状態では単独行動のランクが2ランク向上する。 思考能力は残り、寄生からの洗脳および『怪焔王の流法』の使用も可能。 『勝者の口上に機先を制せ(カウンター・ワード・ウィン)』 ランク:E- 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1人 相手がする発言を先に言い当てる事で、そのターンの相手の直前の行動をキャンセルする。 結果勝利の確信を得ている時程、敵は大きな隙を晒す事となる。 ……実際は虚を突かれて唖然としているだけであり、本来なら宝具と呼ぶのもおこがましい詐術である。 にもかかわらずこれが宝具として表れているのは、生涯最期の好敵手たる波紋戦士からラーニングした闘争の証であり、彼がこれの大元を宝具として持つため。 加えて一瞬とは言え完全に彼の十八番で上回ったただ一人の存在がエシディシであると言う逸話も大きい。 【weapon】 『死の結婚指輪(ウェディング・リング)』 リングの中に毒薬がしこんであり、スキルによる肉体の一体化を応用して敵体内に埋め込む。 一定時間がたつか無理に取り出そうとすると殻が破れ毒が回って死に至る。解毒剤はエシディシの鼻のピアスの中に仕込まれており、闘って奪い取るしかない。 まさに死が二人を別つまでのウェディングリング。 魔力による生成が可能であり、籠めた魔力量により殻が破れるまでの制限時間を調節できるようになっている。 【人物背景】 はるか昔、地球に出現した太陽光に当たると消滅してしまう生き物の一族、その一人。 その一族の多くは穏やかに過ごしていたが、突如生まれた一人の天才がより強い力を求めたため争いが起き、その天才と協力者一人、何も知らぬ赤子二人を残して一族は滅んだ。 その協力者がエシディシであり、その四人が石仮面をかぶり、原初の一(偽)となった柱の闇の一族である。 柱の闇の一族は多くの動物を殺し喰らわなければ生きられないため当然戦争が起こり、宿敵として波紋使いの一族とは幾度も争った。 そして齢十万年以上を数えた西暦1939年、波紋使いジョセフ・ジョースターとの高度な知略戦に敗れる。 敗北後肉体の大半を失いながらも誇りも全てかなぐり捨て仲間のため赤石を届けようと、生きようとあがくが二人の波紋使いの連携に敗れその生涯を終えた。 一人の同朋のために一族皆を敵に回す、仲間のために汚れることもいとわないなど種族の違いから人間と相容れることはできないだろうが、敬意に値すると宿敵にも語られた熱い男である。 【サーヴァントの願い】 宇宙や英霊の座にいる同朋と共に生をやり直し、今度こそ究極生命体となる 【マスター】 広川剛志@寄生獣 【マスターとしての願い】 パラサイトに代わって柱の闇の一族と協力して地球上の生命の調整、間引きを行う 【weapon】 なし 【能力・技能】 生物的には通常の人間。超常の力など何も持ち合わせない。 だがパラサイトと協力しようという苛烈なまでの信条、人食いの怪物と共に過ごしたり武装した自衛隊相手に一歩も引かない胆力、市長選程度とはいえ選挙戦を勝ち抜きパラサイトと共生できる求心力などは常人のものではない。 【人物背景】 人間一種の繁栄よりも生物全体の未来を憂うべきとの思想を持つ政治家。 環境問題を重要視し、人間が地球にとって毒になったと考え、中和剤たる人間の天敵パラサイトと手を組む。 自治体の長となり人の流れを把握することでパラサイトに食事処を提供、保護し、市内の人間を少しずつだが間引いていた。 その後市役所内に多くのパラサイトが存在することがばれ、自衛隊がその駆除に乗り出すと自身の信条を語って聞かせるも過激ともいえるそれに同意を得られることはなく射殺された。 その瞬間の参戦である。 その思想の苛烈さやパラサイトと共存していたという点から皆彼のことを人間だとは思っていなかったようだ。 最強のパラサイト後藤にも「よくわからん奴」「人間から見てもかなり珍しい存在」と語られる異端児。 【方針】 少なくともエシディシと共に帰還したい 基本的に石仮面や他の柱の闇の一族の協力を得るために聖杯を勝ち取るよう動く。